終活の第一歩 書いて伝える 『もしもノート』

「もしもノート」は、私たちNPO法人が2004年に作成したエンディングノートです。

初版から17年、現在7版28万部を発行、多くの方々が手にしてくださいました。

「いざというときにあわてないために」「20歳から100歳までの危機管理」と二つの副題をつけ、現在発行されている多くのエンディングノートに先駆けて発行しました。

 

『もしもノート』を作った理由(わけ)

身近な40代の方が、ある日突然亡くなる、ということがありました。ご家族の連絡先もすぐにはわからない。私たちは、ある日突然、誰にも意思を伝えられなくなることが起きる、そのときに連絡先や自分の意思を伝える方法があったら、ということが『もしもノート』を作るきっかけとなりました。

 

『もしもノート』への想い・願い

「もしもノート」を手にした方々が、もしもの事態に直面したり、いざというときに、慌てずに対処できるように自己管理することを目的として作成されています。

自己管理をすることは副題にあるように危機管理に通ずることだと思っています。とはいうものの、危機管理というようなことに、なかなか意識を向けられないというのが本当のところだと思います。

「自己管理は危機管理」。

もしもノートに記入することで、漠然とした危機感を目に見える形にして、危機に備えること。

記入する過程で自分の希望や考えが明確になること、また、身近な人、大切な人たちに贈るメッセージとしても役立ちます。

LECではご希望に応じて個人でお求めになる1冊から、お友達や家族でまとめて数冊、また企業に於いてOEMでのご発注も承っています。

 

『もしもノート』の書き方は?

例えば、入院や介護生活への希望や費用に関して、終末期医療に関して、お寺や納骨に関してなど、もしも意思の疎通ができなくなってしまったときのために、一つひとつ思うことを書いておけば、家族や周りの人たちの負担も少なくすみ、自分の希望を叶えてもらうことに繋がります。

家族に迷惑をかけないという観点から考えると、『もしもノート』に書いておきたい内容は、大きく分けて2つあります。医療や介護に関する希望など自分の生前(終末期)のことと、葬儀やお墓、相続、家族や友人へのメッセージなど死後のことです。

とはいえ、「もしもノート」を手にしたものの、なかなか書けない!という方も大勢おいでです。

LECでは、定期的に「もしもノート」の書き方講座を実施しています。

おひとりさまの場合、必ずしも家族が自分の看取りや葬儀、納骨をしてくれるとは限りません。また、たとえ家族であっても、自分の希望をその通りに実現してくれるとは限りませんし、大きな負担をかける場合もあります。様ざまな死後の事務を第三者に依頼する、「死後事務委任契約」を結ぶことも、ひとつの選択になります。

LECでは「エンディングパスポート(死後事務委任契約)」をお引き受けしています。

ご相談の際は日取りなどご予約をお願いしています。

 

◯葬儀について

少し前までは、葬儀のやり方に、あまり変わりはありませんでしたが、最近は家族や近親者のみで執り行う家族葬や一日葬、直葬などが増えてきました。コロナ禍になった今、葬儀は更にシンプルになっているようです。

家族の葬儀はそれなりに執り行ったが、自分のときは直葬で、と伺うことがあります。しかし

葬儀は、遺された遺族や生前親しかった方々が、亡くなった方に想いを寄せ、心の区切りをつけるためにも大切な儀式です。自分の思いと、ご家族の思いが重なるよう、生前からよく話しておくことも大切だと思います。

 

『もしもノート』と『遺言書』の違いは?

「もしもノート」は、自身の身辺や考え、希望などを整理し書いておき、遺された家族や周りの人に、それを伝えることを目的としていますので、それだけでは法的な効力はありません。

遺言書は、自分の死後に財産をどのように処分するのか、誰に実行してほしいのか、未成年の子どもがいる場合に誰に世話を依頼するのか、などを指定する死後に効力を発揮する法的な書面です。

『もしもノート』と遺言書の違いは?

『もしもノート』 遺言書
どんなもの? 自分の意思が伝えられなくなった時、家族や周囲の人たちに書いて伝えるノート

生前、死後、自分の希望を自由に書いて、伝えることができる

主に自分の財産(相続財産)について、自分の意思を遺すもの

自筆証書遺言は要件を満たす必要がある

公正証書遺言は公証役場で作成する

法的効力 なし あり(法的な要件を満たす必要がある)

 

『もしもノート』を書くときに併せて考えておくとよいことは?

「もしもノート」は、自分の意志が伝えられなくなったときに、家族や周りの人達に書いて伝える役目があります。

遺言書を作成した場合は、『もしもノート』と併せて保管するか、保管場所、遺言書の形式、遺言執行者などを書いておくことも必要だと思います。

遺言書に書けなかった家族や周りの方々への思いなども『もしもノート』に書いておけば、自身の生前の気持ちを伝えることができますし、『もしもノート』と共に思い出の品などを一緒に保管しておけば、ご覧になった方が、あなたとの思い出や思いを共有することもできるかと思います。

また、死後には水道、電気、ガス、固定電話、携帯電話、その他の契約などを解約したり、連絡しなければなりません。家族が引き受けるもの、或いはおひとりさまの場合など、解約時に必要になる番号、IDやパスワードなどを一つに纏めておけば、後で手続きがスムーズに行えるでしょう。

 

『もしもノート』を書く時期は?

「もしもノート」は、自身に不測の事態が起きたとき、自分の意思を伝える手段となります。

「もしもノート」を手にしたとき、時間をおかずに、すぐに書きはじめることをおすすめします。

終活は「ずっと先のこと」などと考えずに、元気な今のうちから準備を始め、その第一歩として『もしもノート』を使って頂きたいと思います。

そして、「一度書いたらお終い」ではなく、定期的に見直すことをおすすめします。

そのため、『もしもノート』は何回でも、何冊でも書けるよう、安価で書きやすく作りました。

また、各ページに書いた日付を入れるのが上策です。

可能なら、家族や身近な人と相談しながら書くことも、互いに思いなどを共有することができ

ると思います。家族などと話をしながら、そのときの経済状態や家庭環境などを考慮し、必要に応じて書き直しをしていきましょう。いつでも書き直しや更新ができることが、『もしもノート』を最大限に使いこなすことなのです。

 

『もしもノート』を書いた後は?

『もしもノート』を書いたら、家族や大切な人に、『もしもノート』があることを伝えておきましょう。事後に後悔しないように。

『もしもノート』は何かがあった時に自分の意志や考えを伝えるツールですので、周りがその存在を知らなくては、せっかくの記述も役にたちません。ノートの存在をいつでも思い出してもらえるよう、盗難の被害にあわないように、あまり目につくところではなく、『もしもノート』の存在を家族などが見つけやすい、分かりやすいところに保管し、伝えておくことが大切です。

 

鉛筆?ボールペン?

ボールペンや万年筆で書きましょう。

書き始めて、まだ考え等がまとまらないと、鉛筆で書いたほうがよいのでは?と思いがちですが、ボールペンや万年筆などで書くことで、自身としっかり向き合って書くことができます。書き損じたら下線を引いて書き直してもよいでしょう。また、鉛筆書きでは他者に書き換えられてしまうこともあります。

 

『もしもノート』書き方講座に参加してみる

さて、それでは「もしもノート」をいざ書こう!と思って筆を取っても、考えがまとまらないこともあります。後で書こうと思って、そのままになっていることはありませんか?

明日、何か起こるわけではないし…。

確かに、明日、突然何かが起こることは少ないかもしれません。でも、何かが起こった時のために『もしもノート』を書くのだとしたら、先延ばしせず、取りあえずのところから書いてみてはいかがですか?

せっかく手元にある『もしもノート』、書かなければ持っていないのと同じになってしまいますよ💚

LECでは「『もしもノート』買ったけど、やっぱり書けない、書きにくい」という方に向けて、「『もしもノート』書き方講座」を開催しています。

ご自身の思いや身の丈にあった終の始末を、お一人おひとりの思いに寄り添い、ご相談を受けています。ご相談は日取り、時間など予約をお願いしています。少しでも気にかかることがあったら、遠慮なくご連絡ください

 

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